擬古文で綴るドラえもん2
小森_鴎外 2015年2月28日 11:21:18 ID[FgXphUa9]

一応今回もまただらだらと書きつくろうと思います
今回は初回でリクエストのあった「帰ってきたドラえもん」を作ろうと思います
ペースは適当なので御了承ください
敬語表現あった方がいいとも思いますがワケわからんしめんどくさいと思うのでしません



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擬古文で綴るドラえもん2
1. 小森_鴎外 2015年2月28日 11:36:54 ID[FgXphUa9]

今は昔ある春のことなれば
のび太といふ男また剛中将に追ひかけられたり

中将「待たれよ、かの」

のび太「助けよ、ドラえもん」
のび太、住み拠に逃げ込めば、中将追ひかけるをとどめけり

中将「覚へてよ、はた見れば、ぼろぼろにさす」

のび太「怖からず、べえ」
のび太、ドラえもんにしかと言ひて、

のび太「かれをかせ。ほれいつぞや使ひき。喧嘩に強くなるもの」
されど、
ドラ「一人ででえせぬ喧嘩などすべからず」
と言へば、背を向けけり

のび太「やや、なんすれぞ、ドラえもん」
さればドラえもん向き直り、居りて、

ドラ「言はん言はんと思ひ惑いけれど...」
ドラえもん、しかと言へば、

のび太「帰る!?未来の御国へ!?」

のび太「いやじゃ、いやじゃ、いかでかせむ!!」




擬古文で綴るドラえもん2
3. 小森_鴎外 2015年2月28日 11:49:24 ID[FgXphUa9]

眼鏡宮と大殿出で来て、

眼鏡宮「ドラにはドラの業なり。わりなし」

大殿「人にばかり頼りてはおよすがず。男らしく思ひとどまれよ」

やがて、夜になれば、宴をしつ。

大殿「のび太にかしづかせ給ふこと限りなし」

ドラ「否」

眼鏡宮「次のあしたにか行く。いとむつかし」
のび太の心本意なければ、姫飯など口にも入れず、そのまま床に入りたり。
最後の晩なれば、ドラえもんが衾の横に入りたり。
されど二人は心憂しがため、

のび太「寝を寝ず」

ドラ「げに。我も」




擬古文で綴るドラえもん2
4. 小森_鴎外 2015年2月28日 11:59:05 ID[FgXphUa9]

のび太「明日なるまで話さむ」

ドラえもん、「我も」と言ひてまやかし道具を出だす。

ドラ「マカ」

のび太「月がをかし。外に出でむ」
と言へば、ふたりでそとに出づ。

ドラえもん、ふと、
ドラ「のび太...我がいねども、うるばしき人なるか」

のび太「何ぞ」

ドラ「願ひましかばかへらざるまほし」

ドラ「そなたが心もとなしなしく」




擬古文で綴るドラえもん2
6. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:12:12 ID[FgXphUa9]

ドラ「己のみで和歌詠まるるか。中将やすねの左大臣にわづらはしきことされてもやりかへせらるるか」

のび太「たわけ、己のみでせらるる」

のび太「こは契りなり」
それを聞きて、ドラえもん、しほたれれば、

ドラ「いささかにそこいらを歩きなむ」

のび太「袖を濡らしつるを見せざるや。よきかな」

さて、路に一人の怪しき者がよろよろと来ぬ。

のび太「剛中将!!」

のび太「あやつ、ときたまに寝ぼけ歩きけり」




擬古文で綴るドラえもん2
7. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:21:21 ID[FgXphUa9]

中将「誰ぞ。そなたで笑ひつるは」

中将「のび太か。我が寝ぼけるをよくも見つるな。許すまじ」

のび太7やや、ドラ...」
ドラえもん、これを聞きて、

ドラ「はて。誰か我が名を呼びつるか」

のび太「しばし待たれよ」
と、中将を土管の裏に隠したり。

ドラ「のび太、どこぞ」
ドラえもんは気づかず前を通り過ぎぬ。

のび太「やらば、ドラえもん抜きでせむ」




擬古文で綴るドラえもん2
8. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:33:38 ID[FgXphUa9]

中将「や、えらきかな、そち」

中将「さらばよし」
と言ひて、いきなり殴りき。

ドラえもん、住み拠に帰りていはく、
ドラ「先に帰るか」
されど、寝床をみてもおらず。

のび太と中将、いまだに喧嘩ぞしつる。
のび太立たざるまでに中将殴りていはく、

中将「如何か。我にな逆らひそ」

のび太「待たれよ」

のび太「まだじゃ」

中将「何ぞ。まだ殴られたしか」

のび太な「否、勝負はこれから」
と言ひて起き上がりつ。
されどとみにまたなぐらるる。

知らずしてドラえもん、
ドラ「あやし。丑の刻から寅の刻になりたり」



擬古文で綴るドラえもん2
10. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:41:59 ID[FgXphUa9]

ドラ「何処に何をかせむ」

ドラ「最後の最後までいぶせき奴」

中将、ただ殴りに殴りたれば、

中将「ふうふう、懲りけるか」

中将「何度やりても同じ事。やがてとどまれよ」
と言ひてのび太に背を向けたれば、足を掴むるものあり。

見ればのび太。

のび太「我のみでそなたに勝たざれば、」

のび太「ドラえもんが心やすくして、」




擬古文で綴るドラえもん2
11. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:53:07 ID[FgXphUa9]

のび太「帰るべからず!!!」

中将「知ることなし!!.....」


ドラ「おぼろげならざる事、こは」

ドラ「見に行かむ」

ドラ「のび太!!!」

ドラえもん、のび太を探し渡れば、直衣姿の剛中将と、
ぼろぼろの
のび太を見つけけり。

中将「痛、やめよ。我が悪し。許せ」
見ればのび太、中将の耳を引きたり。

中将が逃げつれば、ドラえもん、やがてのび太の元に来たり。

ドラ「のび太殿!!」
のび太、やをらに、

のび太「勝ちき。我」



擬古文で綴るドラえもん2
13. 小森_鴎外 2015年2月28日 12:57:12 ID[FgXphUa9]

のび太「そなたも見む。勝ちき」

のび太「我のみで」

のび太「これでさぞ心やすくして未来の御国へ帰るべし、ドラえもん」
ドラえもん、ただ頷きてしほたるのみ。
のび太の寝を寝する時も側にしほたりてをり。




擬古文で綴るドラえもん2
15. 小森_鴎外 2015年2月28日 13:13:16 ID[FgXphUa9]

朝になりてのび太驚きて横をみれば引き出し空きたり。

中を見ても、ただ筆のみぞある。

のび太、歯を磨きし時に眼鏡宮が、

眼鏡宮「ドラは帰りけるや」

のび太「うむ」

ードラえもん、そなたが帰りければ部屋がつれづれなり。
されども....にはかにこれに習はむ。
されば...案ずることなかれ、ドラえもんー


ちぎりきな かたみに袖を絞りつつ
末の松山波こさじとは
「訳:約束をしたね。互いに(涙で濡れた)袖を絞りながら、
末の松山を波が通り越すことの無いように(二人の友情もいつまでも変わらないように)と。
第一巻 完



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擬古文で綴るドラえもん2
16. 小森_鴎外 2015年2月28日 13:31:43 ID[FgXphUa9]

のび太、ドラえもん未来の御国へ帰りてより徒然なる日々を過ごしけり。

眼鏡宮「友ばらが呼びつ」

眼鏡宮「のび太、いかに」

眼鏡宮「日暮し、ながむれば」

眼鏡宮「ドラと契りなむ結びける」

眼鏡宮「己のみでこなさむ、と」

眼鏡宮「盛んなれ」
のび太、こうべを叩きて

のび太「我はあし。なかなかなる心にて」

のび太「発起せんといかん」

のび太「いとほしく思ひてもドラえもんの帰る訳にもあらず」

のび太「それ、これから気をとりなほしてをかしく遊ぶべし」




擬古文で綴るドラえもん2
17. 小森_鴎外 2015年2月28日 13:37:27 ID[FgXphUa9]

のび太、発起して外に出でれば、すねの左大臣、

左大臣「やや、のび太耳を貸したまふ」

左大臣「つちのこを見つけたり」

のび太「やや、つちのことな。」

のび太「かの幻の蛇なむ。すごきことなり」

左大臣「げに。よからば、二人あわせてとりなむ」

のび太「心得」




擬古文で綴るドラえもん2
19. 小森_鴎外 2015年2月28日 13:43:58 ID[FgXphUa9]

のび太「この土管の中とな」

左大臣「そなたからつつかむ我こちらで取るべし」

のび太「こ、心得」
と言ひて枝でつつけば地を這う音になく、犬などのいななく声あり。

のび太「何ぞ」
すると土管から犬出で、のび太を追ひかけたり。
左大臣之をみて笑ふ。すべて虚言のごとし。

のび太「左大臣、無下なるかな」




擬古文で綴るドラえもん2
20. 小森_鴎外 2015年2月28日 13:53:22 ID[FgXphUa9]

のび太、再び外を歩けば中将来て、

中将「これのび太、そこにいづるか」
中将とみにのび太が耳に、

中将「そ、そ、そなた。落ち着きて聞け」

中将「あなたで、い、今、た、た、誰に我会ひしとおぼすか」

中将「あ、お、だ、ぬ、き」
※中将は今まで「怪しきもののけ(第三段)」と、ドラえもんを蔑称で呼んでいた

のび太「ドラえもん!!??」

のび太「@&%#+!!」

のび太、そこで帰りて、

のび太「ドラえもん!」



擬古文で綴るドラえもん2
22. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:02:45 ID[FgXphUa9]

のび太「ドラえもん!!宮殿!!ドラえもんは何処」

眼鏡宮「ドラ?いさ知らず」

眼鏡宮「はた来るわけなし。かまえて来ずと言ふ。虚言を聞きけむ」

のび太「確かに来たり」

のび太「あやし。いかでか我に姿を見せざるか」

のび太「むべ!!まばゆき事かな」

のび太「かく涙を流しつれば。たわけ、気にするまじ」

のび太「早く逢ひなむ」



擬古文で綴るドラえもん2
24. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:10:16 ID[FgXphUa9]

のび太「そうじゃ、銭を...」

のび太「奴の好きなどら焼きをあまた買はん」
のび太、楽しげに行けば、中将と左大臣、怪しく笑ひて見ゆ。

中将「やはり我が虚言がゆゆし」

左大臣「わらはの負けなり。口惜し」

のび太「何ぞ」

中将はしかと言へば、

のび太「4月馬鹿!?」



擬古文で綴るドラえもん2
25. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:21:22 ID[FgXphUa9]

左大臣「やすく騙せらる」

中将「やはりのび太が最も騙しやすし」

のび太、怒り喚けど、

左大臣「何ぞ。4月馬鹿に騙されて怒る者やはある」

中将「凄まじければそなたも虚言を言へ」

のび太、泣きに泣き、ののしりつつ、

のび太「後ろに物の怪がをり」

中将「聞きたまひぬるか。あのいはけなき虚言」

左大臣「いな、これほどまで。のび太ならば」

のび太、帰りてもよよと袖を濡らしつ。

のび太「あな、ドラえもんや...」
そこで、のび太思しつ。



擬古文で綴るドラえもん2
26. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:29:46 ID[FgXphUa9]

のび太「思しつるぞ!!」

~~
ドラえもん『我が帰りし後、』

ドラえもん『しのばざることあらば...之を開け』
と箱を渡しけり。

ドラえもん『さらば、そなたの欲するもの一度のみ出でん』


~~
のび太、箱を手に取り、之を出だす。



擬古文で綴るドラえもん2
27. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:38:17 ID[FgXphUa9]

すると、中は薬があり。

のび太「飲み薬ぞ。『虚言八百』とな」

のび太「かの飲み薬いはく、之をのみてし話さば虚言かまこと、まことが虚言となる、とな」

のび太「但し、少しの量でよし。一気に飲まば百度に九十九度×ぬべし。はは、4月馬鹿につきづきし」

のび太「よし」
といひて一気に飲み干したり。

のび太は笑ひて外に出でぬ。



擬古文で綴るドラえもん2
28. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:45:19 ID[FgXphUa9]

のび太「奴らゆめ許さじ。ドラえもん帰るなど」

のび太「我にとって最もうたてし虚言なり」

のび太「許すまじ!!!」

のび太、中将と左大臣のもとに来たり。

中将「何ぞ。力ぞ入りぬる」

左大臣「はたあさましき虚言聞かせき来たり」

中将「いかなる虚言思いつきけるか」

左大臣「言ふべし」
されどものび太、耳をも傾けず土管の中に入りたり。



擬古文で綴るドラえもん2
29. 小森_鴎外 2015年2月28日 14:53:14 ID[FgXphUa9]

のび太「今日はよき春の空なり」

中将&左大臣「それが虚言か」
されば、やがて凄き雨降りたり。
中将ども、たちまち濡れぬ。

のび太「凄き雨降りにけり」
されば、雨やみ、先ほどまでの心よき春空なり。

中将「のび太、こはいかに」
と中将怒れり。

のび太「な怒るそ。4月馬鹿なれば虚言ぶいたり」

のび太「されば我が雨降ると言へば晴れ、晴れと言へば雨降るなり」



擬古文で綴るドラえもん2
30. 小森_鴎外 2015年2月28日 15:01:51 ID[FgXphUa9]

中将&左大臣「むつかしき奴」
とおののけば、

のび太「さて、次はいかなる虚言をつかん」

のび太「すね、そなたは犬になつかる」
されば犬の鳴き声聞こえつ。
見れば、先ほどの犬、左大臣に噛みつきたり。

左大臣「痛」

のび太「中将、そなたは北の方に褒めらるる。限りなし」

北の方「ここか」
見れば、怒れる北の方せおはせば、中将を捕らへ、帰したり。

のび太「はは、いとをかし」

のび太「はは...」



擬古文で綴るドラえもん2
31. 小森_鴎外 2015年2月28日 15:08:37 ID[FgXphUa9]

のび太、笑ふも虚しく、帰るは茜色なり。

眼鏡宮「のび太、ドラはをりつるか」

のび太「いるわけ」

のび太「ドラえもんはゆめにも帰らざるなり」

のび太「ゆめにも見えざるなり」
のび太、いたづらに妻戸を開きけり。



擬古文で綴るドラえもん2
32. 帰還者トーマス 2015年2月28日 15:31:52 ID[FgXphUa9]

するとそこにありし、いつぞやの丸顔がいたり。

ドラえもん「のび太!!」
のび太、驚きて声も出でず。

ドラえもん「まことにあやしきことなり」

ドラえもん「またこなたに来てもよきなり」


のび太「な、何ゆえ」

ドラ「さることはわれも知らず」
ドラえもん、『虚言八百』をみて、

ドラ「むべ、之をのみて、」

ドラ「ゆめにも見えざるなりと言ひぬるか」

のび太「ドラえもん!ゆめゆめ嬉しからず!」

のび太「これよりドラえもんとゆめにもともに暮らすまじ」


世の中にさらぬ別れのなくもがな
千代もと嘆くドラえもんのため
「訳:世の中に避けられないわ別れ(×別)がなければいい。
のび太の命よ千年もあれと嘆き願うドラえもんのために


帰ってきたドラえもん 第二巻 完


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