従妹に好かれた俺の話
170. とっと√【童貞マスター】 2014年5月24日 23:13:26 ID[U7zPRDwo]

寝る前。


夏帆は山で描いた絵を俺の部屋に持ってきた。


「ここで続き描いていい?」


「いいよ」


机に絵を広げて描き始めた夏帆。


「今日はホントにありがとうね」


「何度目だよ。もういいから」


「いや何度でもいうよ」


「無事だったらそれでいい」


「かっこよかったよ」


「よく言われる」


「バカwww」


「よく言われる」


夏帆は絵に目を落として続きを描く。


その絵を見てるとあの山の頂上の景色が浮かんでくる。






従妹に好かれた俺の話
174. とっと√【童貞マスター】 2014年5月24日 23:18:49 ID[U7zPRDwo]

「うまいよな」


「でしょ。絵は得意なの」


「ホントにうまい」


「漫画家が夢だった時もある」


「夏帆ならなれるだろ」


「無理無理」


「そんなのわかんない」


「夢は夢だから」


「こんなにうまいんだから絶対なれる」


「そうかな。そんなの言う人初めて」


「みんな言うよ。俺だっただけ」


「そんなことない」


中二病発現してました。


「できた」


絵はえんぴつだけで描かれてたけど影も葉っぱの凹凸も黒と白で上手に描かれてた。小六が描く絵とは思えないぐらいに。


「とっとのおかげ」


「いやいや」


「ありがとう」


そう言ってその日は2人で寝た。





従妹に好かれた俺の話
184. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:35:48 ID[U7zPRDwo]

熱中症の一件以来夏帆の距離はまた詰まってきてた。


どうにかしないとっていう思いとは裏腹にこれでもいいかっていうのもあって突き放せない童貞。


「ねぇお祭り行こ!!!!」


そんな俺氏に元気良く誘ってきたのは夏帆ではなく夏帆の友達の葵。


夏帆の親友でよく家に遊びに来ていた子。


長い髪を後ろでポニーテールにしてる可愛い子だった。


葵が言うには近々神社で夏祭りがあるとのこと。


色んな出店もでるらしい。


もちろん夏帆と2人で大賛成していくことになった。





従妹に好かれた俺の話
186. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:38:53 ID[U7zPRDwo]

当日。


2人は浴衣を着ていた。


葵は朝顔の浴衣。夏帆は淡い赤に金魚がチラホラ見える可愛いやつ。


「どうですか!とっとさん似合ってます?」


「うん!すごく似合ってて可愛いよ」


「でしょ!」


そんなやりとりをしながら神社に3人で向かった。




従妹に好かれた俺の話
187. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:45:13 ID[U7zPRDwo]

神社は田舎だというのに結構人が居た。


出店も結構な数が出ててとっても賑やか。


お祭りは行くほうだがこの田舎の祭りはなんか雰囲気がよくて鮮明に覚えてる。


しばらく歩くとおばあちゃんがいた。


おばあちゃんは金魚すくいの出店を出していた。


「おばあちゃん!」


「夏帆かい。金魚すくいしていくか?」


「するする!!」


三人で並んで金魚をすくう。


結果俺が一番。葵が二番で夏帆は一匹もすくえなかった。


「残念だったな」


「うぐぐ・・・」


「どんまい夏帆w」


俺はそのあと出店を手伝うことになって2人は人混みに消えた。

小さい子供にカップル。色んな人が金魚すくいで一喜一憂するのを見てるのは中々に楽しかった。




従妹に好かれた俺の話
188. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:48:07 ID[U7zPRDwo]

「ちょっと」


「ん?」


振り返るとそこには葵が綿あめを二つ持って立っていた。


「どうしたの?夏帆は?」


「夏帆は大樹たちに捕まって・・・」


あの二人やはり来ていたか。


「とっとさん一緒に回りません?綿あめあげますよ?」


「いいの!!ありがとう!!」


「子供みたいw」


「子供だけど?」


おばあちゃんに一言言って葵と2人で回ることに。




従妹に好かれた俺の話
191. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:52:53 ID[U7zPRDwo]

射的にピンボール。お面にヨーヨー。


一通りの屋台で遊んで満足した俺達は神社裏の影の石段で座って焼きそば食べてた。


「この焼きそばうめぇ」


「がっつきすぎですよw」


「いやホントに。都会じゃこんなのないわ」


俺が焼きそばに感動してるのかおかしいのか葵は隣で終始笑ってた。


「いつ都会のほうに帰るんですか?」


「夏休みギリギリまでいるけど学校始まったら帰るよ」



「そうなんですか・・・寂しいですね」


「寂しいか?」


「寂しいですよw」


「寂しがってくれてありがとう」


「どうも」




従妹に好かれた俺の話
192. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:56:24 ID[U7zPRDwo]

「とっとさんは夏帆と仲いいですよね」


「そうかな?そうだな」


「羨ましいです」


「羨ましいか?羨ましいか?」


「はいw私には兄弟とかいないんでとっとさんはいいお兄ちゃんみたいだなって思います」


「お兄ちゃんってつらじゃないけどね」


「なんか憧れます」


「褒めないでよー」


「気持ち悪いですよw」


「褒めないでよー」


「褒めてません」




従妹に好かれた俺の話
193. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 11:59:00 ID[U7zPRDwo]

「ホントにとっとさん面白いですよね。そうゆう人好きです」


なんか不穏な空気が流れる。


「そ、そう?」


「はい・・・」


やめて。黙らないで。間を作らないで。


「っていうか好きなんですよねw」


ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙。


恐れていたことが。頭の中混乱。


「え・・・?冗談?」


俺氏最低。


「冗談なわけないでしょw初めて見た時からかっこいいと思ってました」


さらに混乱する俺。




従妹に好かれた俺の話
195. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:00:58 ID[U7zPRDwo]

「遠距離だってわかってるんですけど付き合ってくれませんか?」


え。なにこれ。普通に可愛いけども小六だよ。合法?違法?


そんなことも頭にグルグル回ってなんか黙り込んでしまう俺。


「ダメ・・・ですかね?」


そんな目で俺を見ないでぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ。




従妹に好かれた俺の話
199. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:04:03 ID[U7zPRDwo]

「ごめん葵ちゃん。俺嬉しいけど付き合えない」


「なんでですか?私のこと嫌いですか?」



「違うよ。ただ俺は葵ちゃんをそうゆうふうに見れない」


「小六だから・・・?」


グイグイくるなこの子。


「それもあるし」


「なら私が中二ならいいんですか?」


「そうゆうわけじゃ・・・」



「ちゃんと教えてください」


俺氏もう顔面蒼白。断るのは昔から苦手なんだよ。



従妹に好かれた俺の話
201. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:07:31 ID[U7zPRDwo]

「恋愛対象として見れない。ごめん」


「どうしたらそうゆう風に見てくれますか?」


「どうしたらって・・・」


いやぶっちゃけ可愛いしいいんだけどなんか断ってるから答えが出てこない。


「キスしたらそうゆう風に見てくれますか?」


近いよ近いよ。助けくださいロリに襲われています。


顔が近くなる。もう目つぶってるよこの子。俺のファーストキス取られるの?え?




従妹に好かれた俺の話
204. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:11:07 ID[U7zPRDwo]

間一髪葵ちゃんの口を塞ぐ。


「・・・んっ」


「ダメだよ」(震え声)


そしたらどうしたと思う。この子俺の手舐め始めてたんだよ。喘ぎながら。


「んっ・・・チュパ・・・」


「」



もう怖いよ。最近の小六怖いよ。なんでこんなことするんだよ。


咄嗟に俺氏逃走。


を試みるが手で掴まれて逃げれない。


襲われています。おまわりさんはやく。




従妹に好かれた俺の話
207. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:13:27 ID[U7zPRDwo]

が野球部。


無理矢理振りほどいてダッシュで逃走。


やったぜ俺。


変な汗をかきながら家までノンストップ。


家に着いてお風呂入ってガリガリ君食べました。


危なかった。下手したら童貞を奪われていた。


それだけは阻止した。頑張った俺。


ガリガリ君を頬張って1人感傷に浸る。




従妹に好かれた俺の話
209. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:17:26 ID[U7zPRDwo]

しばらくすると夏帆が帰ってきた。


と同時にしばかれた。


「え?」


「なぜ勝手に帰ったし」

「まぁ・・・なんていうかガリガリ君食べたかっただけやし?」



ここでもう一回しばかれる。


「葵は?」


その名前はもうトラウマだ。


「ん?シラナイ。オマエハ?」



「大樹たちに捕まってウザイから帰ってきたの」



「ソッカソッカ」




従妹に好かれた俺の話
210. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:19:05 ID[U7zPRDwo]

そのまま夏帆もお風呂に。


俺はテレビ見ながらガリガリ君をひたすら食べ続けましたとさ。


めでたしめでたし。


で、終わらなかったんだよなー。


ピンポーン


チャイムが響く。


戦慄する俺氏。




従妹に好かれた俺の話
212. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:20:36 ID[U7zPRDwo]

夏帆は風呂。


おばあちゃんと両親は祭り。


出れるのは俺だけ。


おい嘘だろ。嘘だと言ってよ。


玄関に向かう。


ドキドキしながら開ける。


大樹たちだった。


「夏帆います?」


よかったよお前らで。





従妹に好かれた俺の話
213. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:22:38 ID[U7zPRDwo]

「今風呂入ってる。なんか用?」


「お面。あいつ忘れて帰ったんで」


「了解。渡しとく」



プリキュアのお面だったことは触れなかったよ。


「では」


そう言って二人は帰った。


居間に戻ってプリキュアのお面を付けてみたりする。


ピンポーン


ん?





従妹に好かれた俺の話
214. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:23:31 ID[U7zPRDwo]

あの二人まだなにかあったのか?


玄関にまた向かう。


ドアを開ける。


葵が立ってた。


凍り付いたよ。




従妹に好かれた俺の話
221. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:26:18 ID[U7zPRDwo]

「」


黙ってしまう俺氏。


「あの!さっきはすみませんでした!」


頭を下げる葵。


拍子抜けの俺。


「あの私なんか変だったっていうか・・・すみません」



頭を下げたまま葵は続けた。
そうだお前は変だったよ。


「頭上げて。大丈夫。気にしてないから」



トラウマです。


「ホントにすみません。それだけです・・・では」


葵は帰った。よかったいい子?で。





従妹に好かれた俺の話
227. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 12:29:35 ID[U7zPRDwo]

そんなこんなでお祭りは終わった。


色々あったけど結果よかったし楽しかった。


ただ葵のことはちょっと後悔してた。あそこ俺が男だったらもうとっくに童貞なんぞ卒業できてたのでは?と。いやおとこだけど。


そりゃ中二といえばもうおとこみんな変態よ。エロいよ。


ただなんかお兄さんというストッパーがあまりにかかったんだよ。


でなんかチキンのまま来た結果今も童貞な訳ですよ。




従妹に好かれた俺の話
250. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:14:09 ID[U7zPRDwo]

お祭りの1件から特に何もなく平和な毎日を過ごしてた。


が、あるとき問題が起きた。


昼間いつも夏帆はずっと俺のそばにいるんだけどこの日はいなかった。


どこに行ったかもわからないかったがすぐ帰ってくるだろうとほっといた。


結局帰っては来たが時間は22時を過ぎて親に怒られてた。


寝る前に聞いてみた。


「今日なにしてたんだ?」


「ん?まぁちょっと」



「遊んでたのか?」


「そんなとこ。とっとは関係ないから」


「そっか」


この日はそれで終わった。


が、こんなことがよく起きるようになりそのたびに親に怒られて何をしていたのか聞かれるがまたも答えない夏帆。




従妹に好かれた俺の話
252. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:16:35 ID[U7zPRDwo]

そして目をつけられたのが俺。


夏帆の親に頼まれて何をしているのか尾行しろとのお達し。


断る理由もないので了承。


夏帆を尾行することになった。


曇の日。


夏帆が昼過ぎに一人で玄関を出た。


約束通り夏帆をおいかける俺。



従妹に好かれた俺の話
254. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:20:04 ID[U7zPRDwo]

ついて行って付いたのが誰かの家。


そこに入っていく夏帆。


表札を見る。


大樹の家だった。


なんだ大樹の家か。なら・・・


なんでだ?大樹のことは夏帆は好きじゃなかった。むしろ嫌いなのに何故?


その次の日も次の日も夏帆は大樹の家に行った。


不思議だったが別に遊んでるだけならそれでいいかと俺はそれを親に報告。


夏帆の両親は心配していたが友達の家なら・・・と無理矢理納得してた。


隠してるわけはよく知らなかった。



従妹に好かれた俺の話
259. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:25:02 ID[U7zPRDwo]

そんな日が続いた夜。


いつものように夏帆が俺の部屋のベッドで横になってる。


ん?


首の辺りになにかアザ?のようなものが見えた。


「おい。なんか怪我してるぞ」


「え?どこ?」


「首の後ろらへん」



「・・・!」



夏帆は首を抑えて黙ってしまう。


これ今思えばキスマだったんだね。中二の俺は知らなかったですはい。


「大丈夫か?」



「・・・うん」


と言った後。


「・・・グスッ・・・グスッ」


まさかの泣き始める夏帆。


困惑する俺。なにか悪いこと言っただろうか。


「おい」


背中をさすってやるが泣くのは止まらず。


誰か助けてよ。




従妹に好かれた俺の話
262. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:28:22 ID[U7zPRDwo]

俺が泣きたいよ。泣いた女の子の慰め方なんて学校で習ってない。


ただ無言で大丈夫と言うしかなかった。


ホントに無能な俺氏。


しばらく泣くとちょっと落ち着いたのか顔をあげる。


目が赤くなってた。


「どうしたんだよ」


「・・・なんでもないから」


「いやなんでもないわけn」


「なんでもないの!」


急に大声出すなよぉ。


お兄ちゃん怖いよぉ。



従妹に好かれた俺の話
264. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:31:03 ID[U7zPRDwo]

深呼吸して夏帆に向き直る。


「夏帆?なにか辛いことがあるんだったら俺に教えて欲しい」


「なんでよ・・・」


「俺はお前の家族だし力になれることならしたい。だから教えてくれないか?」



夏帆は下を向いて少し考えた後に話を始めた。




従妹に好かれた俺の話
268. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:34:49 ID[U7zPRDwo]

要約するとこうである。


大樹のお兄ちゃんがいてそのお兄ちゃんが夏帆のことを気に入る。

そして毎日家にこないと俺をボコボコにすると脅されたと。

最近は体も触られたりしてこのままだとスゴく怖いと。


そんなことを言ってた。


もうねこんなクズがいるのかと。
なんか怒りというか呆れというか。俺は黙って話を聞いてた。

夏帆は途中えづきながらも話してくれた。


俺が傷つかないように今まで一人で抱え込んでたんだなと。


そう思うとやるせない気持ちになった。



従妹に好かれた俺の話
275. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:39:16 ID[U7zPRDwo]

「それで全部か?」


「うん・・・グスッ」


「ありがとう話してくれて」


頭を撫でる俺イケメン。


やることはもう決まってた。明日話に行こう。ケンカになっても話に行こう。


夏帆は止めたがバカの俺にはそれしか思い浮かばなかった。


相手はなんか空手を習ってる中一とか。

ヒョロガリでも野球部は伊達じゃない。それなりにケンカしても大丈夫かなと。


「ホントにやるの?」


「やる。明日行く」


「ころされたら?」



いやそれはねぇよとツッコミ。


「大丈夫。任せとけ」




従妹に好かれた俺の話
284. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:45:29 ID[U7zPRDwo]

次の日。


俺は覚悟を決めて夏帆をつれて大樹宅へ。


インターホンを押す。


「入れよ」


男の声。


「どうもとっとです。出てきてもらえますか」


「・・・ブチツ」


しばらくすると見たことない男が出てきた。


身長は辛うじて俺より小さいがなんかヤンキーっぽいのが来た。

この時点で俺氏ガクブルだったが。


「なに?あんたとっと?」


あ、こいつ敬語使えないんだ。


「夏帆。こいつか?」


「うん・・・」


状況を察したヤンキー。


「へぇ。言ったんだ。まぁいいけど」


「とりあえず場所変えよう」


そう言って祭りのあった神社へ。




従妹に好かれた俺の話
285. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:49:54 ID[U7zPRDwo]

名前は誠。


「で、なにしにきたの」


やっぱり敬語使えないんだ。


「夏帆に酷いことしてるよな。やめてほしいんだわ」


言うことだけはいっちょ前な俺。


「はぁ?なんもしてないんだけど」


「昨日泣きながら全部夏帆が話してくれた」


「いや知らないんだけど」


すかさず夏帆の首の後ろのアザを見せる。


「これは?」


「あ?それはちょっと遊びで付けただけだよ」


で、何故かガクブルだった俺氏イライラ。


なんか腹立つなこいつってなってた。




従妹に好かれた俺の話
289. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 22:54:54 ID[U7zPRDwo]

「あとお前敬語とか使えないの?」


「は?何が?」


ここで俺氏プッツン。


「お前マジで調子乗ってんじゃねぇよ。俺の従妹が嫌がってんだからはいっていってやめろや」


「お前こそ調子乗るなよ。俺空手習ってんだぞ?」


これ後から考えたらめっちゃダサいな。


「関係ねぇよ。だから2度と近づくなよわかったか?」



「だかra」


「わかったのかって聞いてんだよ!!!」


人生初のマジおこする俺。



従妹に好かれた俺の話
300. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 23:01:10 ID[U7zPRDwo]

「うるせぇなぁあああ!!!」


走って殴りかかってくる誠。


身を引いて横にかわす。


もう空手とか関係なかったな。


振り切ったところを横から思い切り蹴り上げる。

それはそれは思い切り蹴り上げた。

軽く体が浮く誠。そして倒れ込む。


これだけの動きだったけど息切れする俺。心臓はバクバクいってるし。


だが誠は起き上がって掴みかかってくる。


首を掴まれて顔面に一発二発もらう。


が、痛くない。もうアドレナリン出過ぎて訳わからん。


殴られながら俺氏アッパー。


顎に二発。後ろに倒れ込んだのをすかさずマウント取ってみぞおちをひたすら殴る。


俺の中でみぞおち=弱点みたいなのがあったから。



従妹に好かれた俺の話
308. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 23:06:31 ID[U7zPRDwo]

もうひたすらに殴る殴る。


もう必死よ必死。


ころす勢いで殴ってるとすみませんみたいなのがチラホラ聞こえる。


それでも止まらない俺は殴り続ける。


それを夏帆が泣きながら引き離す。


「ハァ・・・・・・ハァ・・・」


誠はひたすら腹を抑えてた。


やり過ぎたとかは全く思わなかった。


「バカ・・・!やり過ぎだから!」



隣で夏帆が泣きながら俺に言ってくる。


「・・・ハァ・・・2度と近づくなよ・・・ハァ・・・」


そう言って倒れた誠をほっておいて帰った。




従妹に好かれた俺の話
313. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 23:09:45 ID[U7zPRDwo]

家に帰って落ち着くと物凄いダルさと頬がめっちゃ痛い。

二発だけとはいえ腫れてた。


腕も足も力んだからなのか筋肉痛みたいになってる。


そこにおばあちゃんが帰ってきてビビる。


もうケンカ熱が収まらなくて布団に寝かされて寝た。




従妹に好かれた俺の話
318. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 23:13:01 ID[U7zPRDwo]

目が覚めると夏帆の両親も側にいてひたすら謝られた。


俺が寝てる間に夏帆から話を聞いたみたいだった。


俺はいいと何度も言ったが土下座してまで謝られた。


夏帆は相変わらず泣いてた。


なにこのカオスな空間はとか思う。




従妹に好かれた俺の話
328. とっと√【童貞マスター】 2014年5月25日 23:17:06 ID[U7zPRDwo]

晩御飯はおかゆを夏帆が食べさせてくれた。


頬が切れてておかゆでも結構食べるのしんどかったけどなんとか流し込んだ。


「ホントにごめんなさい・・・」


「それ聞き飽きたよ」


「でも」


「一件落着?なんだからもういいの」


「あとありがとう」


「おまけがありがとうかよw」


「バカw」


「これで明日からは元気にいれるな」


「うん。とっとのおかげ」


「どうも」


その日は下の居間で寝た。

夏帆も隣で寝てた。
パカポン