バックレて家出したら色々起きた話する【カテゴリ】




バックレて家出したら色々起きた話する
とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:03:40 ID[U7zPRDwo]

こんにちはー。
とるこムースでーす。はいー。
って誰も知らないね。
・・・・・・

と、とりあえずダラダラ書く。
ゆっくり待ってね。





バックレて家出したら色々起きた話する
4. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:08:02 ID[U7zPRDwo]

スペック書いとくね



157cm
体重は( ´艸`)デブではないよ

顔は一度だけ長澤まさみって言われたことあるおー






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2. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:06:05 ID[U7zPRDwo]

高1の時の話。

私は進学校で勉強詰めの毎日で多忙の毎日を送ってた。

とにかく朝から勉強。学校でも勉強。家でも勉強。

キチガイかと思うぐらい勉強してた。

でもそれが苦痛でもなかった。なにより親が勉強頑張って褒めてくれるのが何より嬉しくて頑張れた。





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5. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:11:51 ID[U7zPRDwo]

ある日私が学校で体調を崩した。

早退しろと言われ帰宅。

家の鍵を開けようとしたら何故か開いてた。


うちの家は田舎ではないが鍵が開いてるのはよくあることなので気にせず中へ。


見慣れない靴があった。


だれか来てるのかと思い廊下を進みリビングの前。


「あ、アッ・・・・・・ンッ」


お母さんの声。それも喘ぎ声。

一瞬にして凍りつく私。


男の人の声も聞こえる。お父さんじゃない。






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6. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:14:55 ID[U7zPRDwo]

浮気。


すぐわかった。と同時に吐き気がした。

このままじゃまずいと思いゆっくりと家を出た。


玄関を出てからはダッシュで走った。

もう訳わかんなくて。

着いた所は公園だった。


時間も早くてほとんど誰もいない。

ベンチに座った瞬間吐いた。

体調不良も手伝って。





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8. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:18:23 ID[U7zPRDwo]

そして涙が出てきた。


なんの涙か自分でもわからない。でもひたすら涙がポロポロ落ちた。


怒りとか悲しみとかもうぐちゃぐちゃ。


「大丈夫?」


そんな声が上から聞こえた。


知らないおじいちゃんだった。でもそんなのどうでもよくて無視して泣いた。


「なにか辛いことがあったのかい?」


おじいちゃんは隣に座って話始めた。


私は無視。






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10. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:20:29 ID[U7zPRDwo]

なんか言ってた。よく覚えてない。


年寄りの話なんて聞く余裕もないしなにより興味もなかった。


説教とか語りとかそんなのもうんざり。

だから無視。


でもこれだけ覚えてた。


「辛い時は旅に出なさい」


これだけ何故か鮮明に覚えてる。





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11. デスペニス 2014年5月3日 20:22:35 ID[v3OKDJHr]

>>10
それ言ったの多分俺だわ







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12. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:23:04 ID[U7zPRDwo]

しばらくしたらおじいちゃんは飽きたのかどっか行った。


涙は止まったものの心境は最悪。


小学生も公園に来始めてうざったいから出た。


なんのあてもなく歩いた。どうしよう。


このまま家に帰る自信もないし生活する自信すらない。


勉強なんてまっぴらごめんだった。





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14. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:25:33 ID[U7zPRDwo]

「辛い時は旅に出なさい」


おじいちゃんの言葉。


私はここではない何処か遠くへ行きたかった。


決心した。どこか遠くへ行こうと。


今考えたらバカの極みだか私それぐらい気持ち的にも疲れてた。





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17. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:28:54 ID[U7zPRDwo]

高校の終わる時間までブラブラして潰した。


そして再び家に戻った。


玄関にはあの靴はなかった。


「おかえりなさい」


「ただいま・・・」


その会話だけでも私にとっては苦痛過ぎた。日常は日常ではなくなってしまってた。


自室に戻り着替える。リュックに最低限の着替えを入れて準備した。

お金は500円玉貯金をしてたからそれを全部持っていった。

結構あったと思う。





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18. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:30:38 ID[U7zPRDwo]

準備万端。


自室から出るときまた涙が出た。


しにたくなった。


必×でこらえて何も言わずに家を出た。


またダッシュで走った。


逃げるように。あの家から。もう帰れない。もう帰らない。




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20. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:32:44 ID[U7zPRDwo]

コンビニに入った。


私の好きなじゃがりこのサラダを買った。


店員さんは私見てびっくりしてたと思う。目は多分真っ赤だったから。


出てじゃがりこ食べた。


いつものじゃがりこなのにちょっと違う気もした。気持ち的に。


でもじゃがりこはいくらか私の心を慰めてくれた。





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21. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:35:59 ID[U7zPRDwo]

季節は初夏だった。


空は真っ青で雲一つなかった。

アスファルトが熱を持って上からも下からも熱気が襲ってきた。

じゃがりこを持って私は駅に向かった。


どこか遠くへ行くために。






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23. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:38:46 ID[U7zPRDwo]

とりあえず切符を買って電車に乗った。


あてはないしただ遠くへ行くために適当に乗り継いで乗り継いだ。


人がたくさん座っていた座席もだんだんまばらになってきた。


外はもう夕焼けで真っ青からうって変わって真っ赤。


外を見てると辛いことも忘れられた気がした。





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25. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:41:38 ID[U7zPRDwo]

疲れて眠った。


ぐっすり爆睡した。


「・・・ちょっと」


「は、はい!!」


目が覚めたら駅員さんが目の前にいた。


「終点ですよ」


「あ、すみません」


荷物をもって電車を出た。


どこだここ・・・。


全く知らない土地。もう夕日は沈んでてその暗さは私を不安にさせた。




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29. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:44:31 ID[U7zPRDwo]

時間は夜の九時を回ってた。


改札を出てキョロキョロ周りを見る。


相当田舎に来たようで街灯もまばらで駅から離れるとホントに帰ってこれない。


それでも私は足を進めた。


右へ左へ。どっちが駅でどっちがどうなのか。


全く分からなくなるまでひたすら歩いた。






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32. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:48:39 ID[U7zPRDwo]

時間は11時を越えた。


もう人はどこにも見当たらない。


ついに迷子になった。


というか自ら迷子になった。


でも焦りとかは何もなくてもうどうでもいいやって感じでそれでもフラフラと歩いた。

昼間の暑さはどこへいったのか、風は涼しくて空を見たら都会では見ない星がいっぱいにあった。


1つ1つが綺麗で。それを眺めてるとわたしの心も軽くなる。





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33. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:51:23 ID[U7zPRDwo]

ふと見ると大きな建物が見えた。


学校だった。小学校。


私はなんとなく小学校の前に。


そしてここで泊まれるかな。とか考えた。


考えるがはやし。私は門を乗り越えて小学校の中へ。


完全に不審者。





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35. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:53:09 ID[U7zPRDwo]

夜の学校って不気味なのはお察し。


暗い校舎に非常口の緑のランプだけがついてる。


流石に校舎には鍵がかかってて入れない。


私は校舎をグルっと回ってグラウンドに出た。





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37. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:56:03 ID[U7zPRDwo]

小学校だから?田舎だから?


グラウンドはやけにだだっ広い。


遮るものも何もない。目の前は一面何もない。


空の星と月明かりでグラウンドはそこまで暗いようには感じない。


ふっと心が痛んだ。


なにをしてるんだろう。


こんなところで。





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39. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 20:58:14 ID[U7zPRDwo]

昨日まではあんなに楽しかったのに。


勉強詰めでもなにも辛くなかった。


なのに。


なにしてるんだろう私。


涙が1つ頬をなぞった。ポロポロではなく1つだけ。


もう帰れないんだろう。


「なにしてんの?」


「ヒャッ!?!?」


心臓が張り裂けるぐらいびっくりした。


声は後ろから聞こえた。





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41. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:03:25 ID[U7zPRDwo]

「お!お前も野球しに来たんか!いいねー」


「は、は?」


「俺のほかにも忍び込むやつがいるとはなー!」


太陽に焼けたちょっと黒い肌。
ジャージの半パンにスポーメーカーのシャツ。
片手にはバット。片手にはグローブ。


まさに絵に書いたような野球少年がそこにはいた。


「いやー!しかも女か!!ますます気に入ったぞ」


「ちょ、ちょっとまって!私野球しにきたんじゃないから」

「え?そうなのか?てっきり。高校生か?」


「そうだけど」


「なんや同じやないか。なら見たことあるはずなんだがなー」






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49. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:19:24 ID[U7zPRDwo]

月明かりか。夜だから。


その少し子供のような顔の彼は美しく見えた。


「ま、いいや!!暇なら一緒に野球しないか?」


「え?野球!?したことないよ」


「いいの!投げてくれたらいいから」


そう言って彼はグローブをこちらに投げた。




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52. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:22:56 ID[U7zPRDwo]

彼はその手に持ったバットを構えた。


「っしゃ!こい!!!」


私は諦めてリュックを地面に置いた。


グローブを左手につけた。土の匂いがした。


まるで始球式みたい。そんなことを思いながら精一杯投げた。


「えい!!!」


カキーンッ!!!


快音が静かなグラウンドにこだまする。

「ナイピッチ!!!」


後ろを振り返ると高く上がった球は月明かりに反射して遠くまで飛んでいく。




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56. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:25:17 ID[U7zPRDwo]
「おーい!!!とってこいよー!!!」


「え!?なんで!?」


「バカ野郎!!一回で終わるわけ無いだろうが!!!二人しかいないんだしとってこいー!!!」


「えぇえええええ」


「走れ!!走れ!!!」


彼は笑いながらそう言って手を回す。


同じ高校生とは思えないほど子供。


私はその笑顔に負けてボールを追いかけた。




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58. ボレリー【ボレポテ同盟】 2014年5月3日 21:27:38 ID[tp9AmKPo]

不思議と惹かれる文体
たとえ釣りだとしても文句は言わない





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59. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:28:32 ID[U7zPRDwo]

ボールはグラウンドの端まで飛んでいた。


見つけてそれをグローブに入れてまた彼の元にはしる。


「ハァ・・・ハァ・・・」


「なんだー。もう疲れたのかー」


「あ、当たり前でしょ!!どんだけ遠いと・・・」


「しゃーねぇーなー。変わってやんよ」


彼はこっちに歩いてきてバットを差し出す。


「だから!したこと・・・」


「なくてもやるの!」


彼はまた笑う。


私はバットを受け取りグローブを差し出す。





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61. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:33:35 ID[U7zPRDwo]

「さぁ。打てよ?思っきりふれよ?」


彼は真剣にこっちを見つめてくる。


私はコクリと1つ頷いてからバットをにぎる。


彼は下投げで軽くボールを投げた。


必×で目で追い振る。


あえなく空振り。


「バカ野郎!!力みすぎ!肩の力抜け!」


「わ、わかった・・・」


変に納得してボールを彼に返す。


「ほいっ!」


思っきりふる。


カキンッ


彼には及ばないが軽くバットに当たり彼の頭を少し超える。


「あたった!!!」


「やるじゃん!!!!」


2人でハイタッチをして喜んだ。





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76. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 21:56:26 ID[U7zPRDwo]

その後も何回か交代して野球をした。


彼は何度も走り何度もバットを振り何度も笑った。


「ハァー!!!今日は楽しいなぁー!!」


彼はグラウンド横の蛇口の水を飲み干して言った。


蛇口を締めこちらを見て笑う。


よく笑う人。それを見てるとこっちまで笑えてきて自然と笑がこぼれる。





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79. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 22:00:08 ID[U7zPRDwo]

近くのベンチに2人で腰掛ける。


「ありがとうな!付き合ってくれて」


「いいよ。疲れたけど」


「だな。お前どっからきたの?」


ふと思い出した。今日のこと。
嫌なこと。


「遠くから」


うつむきながら答えてしまう。


「うーん。そっか」


それだけ言って彼は黙ってしまった。

沈黙が支配する。気まずい。





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85. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 22:03:56 ID[U7zPRDwo]

「あなた名前は?」


沈黙を破るように言う。


「健吾。お前は?」


「まさみ」


「名前も知らなかったのに野球してたな」


また笑う。誘われて笑う私。


また沈黙してしまう。


これからどうしようとか勝手に考えてしまう。


沈黙は嫌いだ。





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87. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 22:06:59 ID[U7zPRDwo]

「なぁ」


健吾が口を開く。


「お前今日俺ん家泊まる?」


「え!?」


「いや、なんとなくだけど」


一気に彼を疑う。なんで?見ず知らずの私を?いきなり?


嫌な汗までかいてきた。

でもどうしようもないのも事実でその提案はありがたかった。





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93. とるこムース(激甘) 2014年5月3日 22:11:33 ID[U7zPRDwo]

でも聞かずにはいられなかった。


「なんで?」


「ん?」


「なんで初めて会った私を家に泊めるの?なんで?おかしくない?」


「んー」


空を見る彼。


「お前なんかあったんだろ?そのリュックにこの時間に学校て」


それもそうか。


彼にとったら私のほうが不審者だ。


「困ってるときはお互いさまだ」


「いいの?」


「全然いい。親に説明すりゃわかってくれる」


ベンチから勢い良く立ち上がりこっちをむいて「なっ!」っ笑う。


私はうんと頷いた。